■道路用語集

道路標識調査ノート>道路用語集
 
 

・最終更新日:2015年7月31日

 道路関係の用語で、道路標識、信号機関係以外のものを撮り上げるページです。
 一般にあまり「常識」として扱われないような用語を中心に取り上げていきます(なお、「交通の教則」で紹介されているものは基本的に省略されます)。

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■道路付属品・道路設備
ガードレール、照明灯など・・・道路標識以外にも多種にわたって交通安全設備が存在します。その中でも常識的には知られていないもの、説明を要するものなどをピックアップしていきます。
■道路標示・区画線(標識令で定められていない非正式名称に限る)
 道路の傍で掲示する「標識」に対し、路面に描かれているものが「標示」「区画線」です。
 法定外標示や俗称などを以下で紹介します(正式名称は『交通の教則』などをご覧ください)。
アローマーク
「>」型のマークが複数個敷かれた法定外標示。カーブの手前などに減速を目的に設置される。
 
ゼブラゾーン
「導流帯」のこと。
 
センターライン 中央線のこと。
グリーンベルト  幅が狭い道路で、通学路などの理由で路側帯の内外の区別を明確にする為に道路に施される緑色の塗装部分のこと。
(街路樹が立ち並んだ部分を指す場合も多くあります)
ダイヤ
 横断歩道の手前に設けられたの菱形の標示のこと。正式名称は「横断歩道又は自転車横断帯あり(210)」であるが、長いので警察でもこのように略す。
 
サークル  感応式信号機の感知位置を示す為に設けられた円の標示。
 以下は道路標示・区画線を設置する際の指針書となる『路面標示設置の手引』に掲載されている法定外標示を紹介します。
一時停止  道路標識「(330)一時停止」が実施されている場所にある「止まれ」の標示のこと。標識と同じ名称であるが、法定外の標示である。
交差点指示  交差点中央部に設置される、交差点の形状を示した標示。
右折導流標示
 交差点内で、右折する車両を安全に誘導するために設置される法定外標示。
 
指導線
 交差点内で屈折があるような場合、車両を誘導する為に敷かれる破線を用いた法定外標示。
 
■道路情報板
A型道路情報板  オーバーヘッド形式(門状に設置する形式)で設置するもの。ここから更に電光式や幕式(ベルト式)などがある。
B型道路情報板  路側に設置され、幕を回すことで道路情報を表示するもの。
C型道路情報板  路側に設置され、板を差し替えることで道路情報を表示するもの。
 現在では、上のA、B、C型の情報板は撤去されつつあります。表示の自由度が低いためです。
 それに代わって、以下のフリーパタン式情報板が増えてきました。
フリーパタン式道路情報板  電球やLEDにより、表示を自由に設定できる情報板。
 以下、NEXCOが管理する道路(主に高速道路)で主に設置されている情報板に関する用語を紹介します。
 現在はいずれもフリーパタン式の情報板ですが、かつては幕式のものが用いられていました。
A型情報板
(インター流出部情報板)

 高速道路の本線で、インターチェンジの分岐手前に設置される情報板。
 
B型情報板
(インター入口情報板)

 インターチェンジに近い一般道路に設置される情報板。
 
C型情報板
(料金所情報板)

 高速道路に流入する車両に対して、料金所で本線上の情報を示した情報板。
 
D型情報板
(トンネル入り口情報板)

 トンネルの手前に設置され、トンネル内部の情報を示した情報板。
 
E型情報板
(トンネル内情報板)

 トンネル内部に設置される情報板。普通は4文字の情報を表示できるもので、トンネル内の情報に特化している。
 
F型情報板
(中間地点情報板)
 
J型情報板
(ジャンクション情報板)

 ジャンクションの750m手前に配置される進行方向別の道路情報板。
 
K型情報板
(広域情報板)

 200km前方までの道路情報を示す目的で設置される大型の道路情報板。
 
所要時間情報板  あるインターチェンジまでの所要時間を示す目的の可変式の標識。
図形情報板  図形を用いた情報板で、二種類以上の経路がある場合の選択を助ける目的で設置される。
車線表示板
料金所で、ETCレーン等のレーンの種類を区別する為に設けた可変式の表示器。
 
■交通情報収集装置
車両感知器  車両を検知する機器。交通情報の収集や、信号機の制御などを目的に設置される。
 車両感知器には以下のよう種類に分けられます。
 現在用いられているものは、
 ・超音波式
 ・光学式
 ・画像型
 ・マイクロ波式
 ・ループ式

 一方、現在では見かけないものとして、
 ・圧力式
 ・ゴムチューブ式
など
Nシステム
自動車ナンバー自動読取装置

 自動で車両のナンバープレートを読み取る装置。手配者や行方不明者の追跡を目的に設置される。
 
 
Tシステム
旅行時間測定システム

 道路の所要時間を測定する目的で設置される装置。複数台設置し、その間の通過時間によって特定の区間の所要時間を集積する。
 
 
オービス
自動速度違反取締装置
 速度規制を超過した車両を取り締まる目的で設置される感知装置。速度検知器と車両撮影用のカメラが取り付けられている。
 肖像権の関係で、必ず「自動速度取締区間」の看板が設けられる。
 このオービスにも様々な種類があります。
 以下に種類を挙げると
 ・レーダー式
 ・ループコイル式
 ・Hシステム
 などがあります。種類によっては対オービス用のレーダー探知機に探索されないよう工夫されているものもある(そもそも、その探知機自体が違法行為を助長する装置だから、当然の対策と言えますが・・・)。
■防護柵
 防護柵とは、誤った進行方向の車両が車道外に逸脱するのを防ぎ車両の損傷を小さくする目的や、歩行者の乱横断を防ぐ目的などを持った柵です。
 代表的なものとしてガードレールがありますが、他にも橋の高欄も含まれます。
 防護柵には様々な種類があります。用途や構造ごとにそれぞれ名称が設けられています。
 以下ではその名称を紹介いたしましょう。

・用途別
 ・車両用防護柵
 ・歩行者自転車用柵
  ・横断防止柵
  ・転落防止柵

・構造別
 ・たわみ性防護柵
  ・ガードレール
  ・ガードケーブル
  ・オートガード
  ・ガードパイプ
 ・剛性防護柵
剛性防護柵
剛な防護柵

 衝突の際に、力をそのまま吸収することで車をせき止める防護柵。高速道路の壁高欄など。
 ただし、ぶつかった際に車両が受ける衝撃は大きい。
 
たわみ性防護柵
柔な防護柵
 
 衝突の際に、柵が変形を起こすことでクッションの役割を果たし、車をせき止めるが衝撃を小さくする防護柵。種類は以下参照。
 
 なお、防護柵の定義からは外れますが、道路設備としての柵は他にも以下のものがあります。
 ・立入防止柵
 ・投棄物等防止策
■道路照明灯
連続照明
 複数個の道路照明灯を連続で等間隔に設置する方式。
 
局部照明
 交差点部など特に必要な場所で照明灯を局所的に設置する方式。
 
トンネル照明  トンネルに設けられる照明。トンネルの内外での光量増減にドライバーが慣れるよう、区間ごとに設置方法を以下の3つに分けている。
 ・入口部照明
 ・基本照明
 ・出口部照明
 
カットオフ  眩しさを制限し、光が漏れない構造の灯具のこと。
 ⇔ノンカットオフ
■道路鋲
●道路鋲
 交差点やセンターラインなどの視認性を向上させる目的で設置される鋲。
 
├縁石鋲  道路鋲のうち、縁石に設置されるもの。
└チャッターバー  道路鋲のうち、中央線上に設置されるもの。
■その他の設備
視線誘導標
デリネーター
 橙や白などの色の反射材を用いて、道路の境界線を明確にする反射板。自動車のヘッドライトを当てることで、明確に境界部の位置が分かるようになる。複数個を連ねて設置するのが一般的。
線形誘導標  矢印やアローマークで進行方向を示す看板。
車線分離標
ポールコーン
ラバーポール
 ゴム製の小さなポール。中央線や路側帯とセットで設けられることが多い。赤色のものが主流であるが、緑色のものもある。
スノーポール  多雪地域で見られる、路端を知らせるポール。積雪量を量る時の目安にもなる。
 上述のデリネーターと併設されていることが多い。
垂直面標示  障害物の位置を明確にするために設けられる、黄と黒の縞模様のマーキング。
(昔は正式な「標示」として扱われていた)
 
車止め
ボラード

 車両の進入を防止する必要がある場所で、物理的に通抜を妨げる目的に設置される小型の構造物。
 
ブリンカーライト
障害物表示灯
 分岐部や中央分離帯の開口部などに設置し、障害物が存在することを喚起する点滅灯。大抵は2つのライトが相互に点滅している。
カーブミラー
道路反射鏡
 見通しの悪いカーブや交差点などに設けられ、車両や歩行者の有無を確認する鏡。一般的には柱が橙色で、「↑注意」の表示板(注意板)が取り付けられている。
道路元標
 設置された市町村における道路の基準点を示した石標。戦前の道路法では府県道の起終点になるなどして重要な役割を担っていたが、戦後は特に意義を持たなくなった。
 
キロポスト
距離標
里程標
 道路の起点からの距離を示した目印。標識を模して作られることが多い。  
クッションドラム  分岐部などに設置し、衝突の際に車両の衝撃を吸収するドラム。
眩光防止施設  中央分離帯の反対側で走る車両のヘッドライトの光を遮断する設備。遮光板遮光ネットなどがある。
(写真は遮光板)
吹き流し  柱から布製の筒を吊り下げて、風が吹くことでなびく設備。これを用いて、風向や風勢を確認出来る(写真では標識の奥に設置されているもの)。
飛び出し坊や  走って飛び出す少年を描いた看板。子供の飛び出しを注意喚起する目的で設置される。
 「坊や」のみならず、老人やキャラクター(アニメやゲームなどでの版権もの)のものもある。
◆交通運用・交通管理
■総合
中央線変移区間
リバーシブルレーン
 円滑な交通を確保するために、時間によって中央線を変える区間のこと。
単路部  交差点等がなく、連続的な交通流が確保されている道路の区間のこと。  
■交差点・分合流部
信号交差点  交通信号によって制御されている交差点のこと。  
インターチェンジ  立体交差の一種。交差する道路どうしを連結する連絡路(ランプ)を設けることで、円滑な交通を運用する方式。  
ジャンクション  高速道路や高規格道路どうしの結節点のこと。
(交差点の一種として扱うならばインターチェンジの一種。)
(本場の英語では単に交差点を指す)
単純立体交差  立体交差のうち、ただ交差するだけで相互に接続が無いもののこと。   
●ラウンドアバウト
●環状交差点

 円形交差点のうち、交差点内部を走行する車両が他の交通に妨げられない交差点のこと。
 
真ん中の車両が入れない部分が「中央島」
少し外側の縁石で囲まれた部分が「エプロン」
車両が通る部分が「環道」
├環道  ラウンドアバウトにおける、車両が主に通る円形の通路 
├中央島  ラウンドアバウトにおいて、中央の車両が入れない部分。
└エプロン  ラウンドアバウトにおいて、環道と中央島の間の空白部。この部分を設けることで、車長が長い車両でも交差点に入れるようにする。
導流化
チャンネリゼーション
 交差点で改良工事を行うことにより、交通流を制限させること。これにより、交差点内の安全性を向上させる。
 改良の具体的な内容は道路標示や交通島の設置、交差点面積の縮小などがある。
 
ノーズ
接近端
道路が二方向に分かれる部分の先端部。 
(⇔合流部:合流端
主道路  交差点において、交通量が多い又は道幅が広い道路のこと。
従道路  主道路と対照的な概念で、交差点において交通量が少ない又は道幅が狭い道路のこと。
織り込み交通  合流と分岐を比較的短距離があり、その間の区間を複数車線で車両を捌く交通方法。
 交通量が多い場所では渋滞の原因ともなるので、設置を避ける傾向にある。
スクランブル交差点  斜め横断できるように標示が敷かれた交差点のこと。十字路でよく見かけられる。   
■交通抑制・住宅内交通
交通静穏化  住宅街などにおいて良好な環境を創り出す為、自動車の交通を抑制すること。
歩行者天国  車両を締め出して、歩行者だけの空間にした道路のこと。(写真は大阪・道頓堀)
コミュニティ道路  
 交通静穏化が必要な地域で、シケインやハンプ(いずれも後述)などで速度低下を促す構造の道路のこと。
 このコミュニティ道路が集まった地域のことをコミュニティゾーンと呼ぶ。
 
ゾーン30  住宅街などの一定の地域内の最高速度規制を一律で30km/hにする施策。
トランジットモール  自家用車を門前払いし、公共交通機関のみの進入を許可した歩行者用の道路のこと。主に北米で導入されいるが、日本でも那覇・国際通りなどで採用されている。
■その他
ITS  新鋭の情報通信技術を用いた新しい道路交通システムのこと。
 道路状況に応じて柔軟な交通運用を目指す。
VICS  道路交通情報通信システムのこと。
道路情報連絡所  道路情報の提供をするべく、道路管理者が委託をした連絡員のことを道路情報モニターと言い、その連絡員が渋滞・気象等の道路情報の提供などを行う場所。
異常気象時通行規制  台風や地震といった異常気象時に、道路を通行止めにして利用者の安全を確保する目的で実施する規制のこと。
 豪雨に備える場合、降雨量の基準を設けて規制を実施する。
730
 アメリカから返還された沖縄県において、米国式の右側通行から日本式の左側通行へと交通方式が変更された出来事を指す(元々はそれに伴う広報キャンペーンのことだった)。
 1978年(昭和53年)7月30日に行われたことからこの名が付いた。
 
 
     
◆道路設計・道路構造
■総合
設計速度  道路を設計する際に、規格の基本となる速度。   
線形  道路が描く形状。
 地図や空中写真のように、平面の幾何を表したのが平面線形
 マラソンコースでよく見られる坂道の緩急や位置を表したのが縦断線形
片勾配  曲線を曲がる際に、車両に遠心力が生じる。これを軽減し、安全性や快適性を向上するために設ける横断勾配。  
小型道路  費用や用地の問題で道路敷設に制限される場合に設置される、普通乗用車専用の道路。
 主にトンネルや高架で用いられる。
 ⇔普通道路
 
■平面線形・平面設計
車線数は「片側」の文字が付くか否かで状況が異なり、

 片側2車線⇔4車線

 片側1車線⇔2車線

と対応します。
1.5車線  自動車が走れるが、センターラインが敷かれていない中途半端な幅の道路。
1.5車線的道路整備  道幅が狭い道路であるが十分な交通量が予測されていない区間で、待避所や見通しの悪いカーブでの視距改良を行うことでコスト削減を目指す道路の改良方法。
●緩和曲線
 曲線は基本的に円曲線である。しかし、直線から円曲線にいきなり切り替わるのは安全ではない。
 安全性の確保のため、この直線と円曲線の間に曲率が漸次変わる曲線が設けられる。
 この、曲率が変わる曲線のことをいう。
 
 写真は高松市の高松道。「急カーブ」と注意喚起が出ているが、ドライバーが見る限りには酷く急なカーブには見えない。これも緩和曲線を設けたことによる効果。
└クロソイド曲線
 緩和曲線に用いられる曲線。
 この曲線の幾何は、自動車を一定速度での走行で、一定の速さでハンドルを回した時の軌跡に相当する。 
 
登坂車線  加速能力が小さい大型車は、坂道で低速にならざるを得ない。
 高速で走れる車両と、低速の車両を分離して、円滑な交通を確保するために設けられる車線を指す。 
 
ゆずり車線  登坂部以外で、後続の車両に先行を譲れるように作った車線。
変速車線  高速道路のインターチェンジの分合流部で設けられる、加減速のために設置される車線。   
背向曲線 S字カーブのこと。   
ヘアピン  U字状のカーブ。名称は髪留めが由来。
クランク
 「┌┘」のように、連続して違う方向の屈折が続く道路形状のこと。
 
シケイン
 車両の速度を落とす為の小型のS字カーブ。または、それに似た道路の形状。
 
クルドサック
 住宅内の袋小路(行き止まり)で、回転可能な構造にしたもの。
 
■縦断線形・縦断設計
ハンプ(坂阜)  車両の速度低下を目的に設けられる突起のこと。

(本来は小さな丘を指し言葉です。鉄道でもこの言葉が用いられますが、設置される理由が大きく異なります。)
■構造物
 道路を敷くためには様々な構造物が必要となります。トンネルや橋梁といったよく知られているもの以外の、専門用語に近い道路構造物の名前を取り上げます。
盛土  高い部分に道路を通すため、土を盛ること。その部分のことを盛土部という。   
切土  土を除けて道路を整備するため、土を取り除くこと。その部分のことを切土部という。  
カルバート
暗渠
 盛土の下にインフラ(道路や鉄道、水路など)を通したい場合に設けられるコンクリート製の箱。
 特に、長方形のものはボックスカルバート(函渠)と呼ばれる。
跨道橋  道路の上部を渡る為に設けられた橋。 なお、鉄道の上部に設けられたものは跨線橋という。  
     
■舗装関係
 道路上を自動車が快適に走行できるよう、アスファルトやコンクリートで舗装されます。そして、費用や予測される交通量などを勘案して、様々な舗装がなされています。
アスファルト舗装  アスファルトを用いた舗装。全国の道路で見られる。
コンクリート舗装  コンクリート製の舗装。耐久性が高いことが長所である一方で、敷設後の養生機関が長いことや設置費の高い短所の所為で少数派である。
カラー舗装  着色した舗装のこと。交通安全を目的に設置されることが多い。また、景観対策として敷設されることもある。  
 屋外に設置する以上、雨水のことを想定しなければなりません。この雨水に対しては現在、様々な性質を持った舗装が設置されています。
代表的なものとして、排水性舗装透水性舗装保水性舗装が挙げられます。
インターロッキング舗装  インターロッキングブロックを多数敷き詰めることによって、路面を形成する舗装。
(※「interlocking」は「噛み合わせる」の意)
真空○型滑り止め  真空コンクリート舗装の工法で敷設する際に設置される○型の穴。 
(ただし、これは同じ業界でも呼び方が異なり、様々な呼び方がある。)
 
     
◆その他
■法律・制度
道路管理者
 道路の認定、設置、維持、補修を行う者のこと。公道の場合は国土交通省、自治体、高速道路管理会社がその役割を担う。
 
 
交通管理者
 道路の交通に対する監視、制限、取締を行う者のこと。
 公道の場合は警察がこの役割を担う。
 
 
道路法
 道路を建設・管理等の事項を定めた法。現行法は1952年制定。
 
道路運送法  道路運送事業を取りまとめる法律。なお、この法律でいう道路運送事業は以下の通り。

 ・バス事業(路線・観光・送迎等)
 ・タクシー・ハイヤー事業
 ・自動車道事業(観光用の有料道路が一般的)

 (なお、貨物自動車運送事業については別途法律が定められている。)
道路構造令
 道路を建設する際の技術的基準を定めた法令。1970年制定。
 
道路交通法
 道路が安全かつ円滑に利用されるよう、通行上の規定を定めた法。略して「道交法」とも。1960年制定。
 
車両制限令  道路の機能と安全を確保するために、車両の規格の最大値が設けられる。この最大値を定めたものがこの法律である。   
■路線・道路認定
 国に制定された「国道」、都道府県から認定を受けた「都道府県道」、市町村の認定を受けた「市町村道」。
 基本的にこのような括りのもとで、道路は整備・管理されます。
 国や自治体の法律、政策における道路の用語を取り上げましょう。
高速自動車国道
 国道のうち、専ら自動車の供用に向けて整備された道路のこと。「国道」の一部であるが、一般的には「高速道路」として片づけられる。
 
 
一般国道
 国道のうち、高速自動車国道を除いたもの。路線番号が付加されている。
 「国道」と会話で出た場合は、ふつうこの種の道路を指す。
 
 
指定区間
直轄区間

 一般国道に指定された区間のうち、国土交通省が管理する区間のこと。
 (「国道」でも指定区間に定められないものは都道府県や政令市が管理する。この指定区間から外れる区間のことを補助国道という。)
 
 
主要地方道
 都道府県道や市道(政令市)の中で、国から指定を受けた路線。
 国土の幹線道路網を担う路線として扱われ、調査・工事では予算上の優遇を受ける。
 
 
一般県道
 主要地方道ではない都道府県道のこと。
 通常、調査・工事では国からの予算上の優遇を受けない。
 
 
重用区間
重複区間

 複数の路線が一本の道路に指定されている区間のこと。
(これ自体は、市町村道レベルに至るまで多く見かけるのですが、国道の重用区間となれば、「おだんご」の設置などで特別視されています。)
 
未供用区間
 道路が開通していない区間のこと。
 (⇔供用区間
 
海上区間
 路線が橋やトンネル等で繋がっておらず、海上に敷かれている区間。
 国道や県道であれば、フェリーや渡船があることが多い。
 
バイパス
 従来の区間に何らかの問題(線形不良、渋滞等)がある場合に建設された新たな道路。
 
都市計画道路
 都市計画法によって計画・建設される道路。一般に、交通安全のみならず都市における機能性も重視して計画される。
 なお、路線番号や路線名も一般的には決められているが、道路法におけるそれらとは異なって定められる。
 
主要幹線道路
 いずれも道路のランク。重要度は主要幹線>幹線>補助幹線の順番に並べられる。
 元々は都市計画における用語だったが、道路標識を運用する際にもこの考えが応用されるようになった。
 
  
幹線道路
補助幹線道路
生活道路
街区道路

 いずれも住宅地や路地の小規模な道路のこと。「街区道路」は特に都市計画によって作られた道路の意味合いが強い。 
 
 
二項道路
みなし道路

 建築基準法では幅員が4m以上無ければ、道路として認められません(建築基準法42条)。しかし、この建築基準法が定められる以前に設置された場合、道路として特例的に認められます(建築基準法42条第2項)。
 この、第2項で例外として認められている道路のことを指します。
 
 
■略称
R 1)「ROUTE」の頭文字より、国道を表す際の略称。
例)「国道1号」→R1
 
2)カーブの半径のこと。
例)R=400m
 
r  「route」の頭文字より、県道を表す際の略称。
例)「県道2号」→r2

 都道府県で区別する場合は
「滋賀県道3号」→滋賀r3
と表記することがある。
 
インター
IC
インターチェンジ(Interchange)のこと。
例)大津インターチェンジ┬→大津インター
               └→大津IC
 
JCT ジャンクション(Junction)のこと。
例)草津ジャンクション→草津JCT

最近では、「JC」と略すこともある。
 
SA サービスエリア(Service Area)のこと。
例)多賀サービスエリア→多賀SA
 
PA パーキングエリア(Parking Area)のこと
例)甲南パーキングエリア→甲南PA
 
TB 料金所のこと。
例)米原料金所→米原TB
 
TN トンネル(Tunnel)のこと。
例)金勝山トンネル→金勝山TN
 
BP バイパス(By-pass)のこと。
例)京滋バイパス→京滋BP
 
JH
2005年に廃止・民営化となった日本道路公団の略称。
 
JB
「Japan Bridge」の略で、本州四国連絡高速道路のことを「JB本四高速」と略す。
 
 なお、NEXCOは「Nippon Expressway Company Limitted」を略したものですが、この長ったらしい正式名称は普通使われていません。
■その他
道路交通センサス
 年度ごとに日本全国で実施される交通量調査のこと。詳細な調査が実施されており、結果は国土交通省のホームページで閲覧出来る。
 
発生品  工事で撤去されて出た資機材のこと。スクラップとして廃棄することもあるが、現場内で再利用することもある。
酷道 整備が進んでいない国道のこと。
(写真は八百津町内の国道418号)
険道 整備が進んでいない県道のこと。
(写真は宇治市内の京都府道782号)
 他にも、
 ・府道→腐道(険道で写っている京都r782はまさに「腐道」)
 ・市道→死道 村道→損道

 などのスラングが存在します。いずれも整備がなされておらず、快適な移動には適さない道路のことを指します。
廃道
 バイパスの整備などで、維持管理の必要がなくなり放置されている道路のスラング。
 
ネズミ取り
 ネズミ退治用のグッズに倣ったスラング。警察が路上で車両の監視を行い、道交法違反者を駐車場に呼び込んで取締を行うことの俗称。
 
 
ハイウェイ・ナウ  日本道路公団(現:NEXCO)のウサギの姿をしたマスコットキャラクター。標識などで目にすることがあったが、公団民営化後は徐々に姿を消している。
こっちだヨウ平  建設省(現:国土交通省)が制定した道路のイメージキャラクター。8月10日の道の日を周知する目的で採用された。ニワハンミョウがモデル。  
◆参考文献
【参考文献】(順不同)
 稲野茂・池原圭一(2014)「防護柵に関する基準等の変遷」、『道路』2014年6月号、p56-59、日本道路協会
 多田宏行、有山勇次郎、松下勝二(1974)『道路の交通安全付属施設』(土木建設技術全書10 道路建設講座)、山海堂
 交通工学研究会(2006)『路面標示設置の手引』、丸善
 川浦潔(1978)『道路工学』、森北出版
 高速道路研究会、交通工学研究会(1985)『交通用語辞典』、技術書院

 
 
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